体育の残滓で胸が痛む。昨日あの子に尋ねられたときにはちょっとだけって言ったけれど、どうやら遅れてやってきたみたいで、今朝からずっと疼痛が響いている。

あの子にとっては無数に交わす言葉の中のひとつにすぎないとしても、俺にとってはひとつひとつが輝いていて見えていて、それを要らない情報で薄めたくないからなおさら人と話すのを避けるようなきらいがある。

「おはよ!足の筋肉痛大丈夫?」

「足は全然やけどここ(腕の付け根)がちょっと痛いかな」

やっぱりその後は覚えてないや。どうせ大したこと話してないだろうし。けれど、君の方がずっと華奢なのに心配する言葉のひとつもかけずに離れたことには後悔している。なぜだか君と話してる時だけ時間が早送りみたいに感じて、幸せなはずなのにその時間を早く終わらせたくなる。きっと君が眩しくて目が眩むのに耐えられないんだと思う。